ソース:NewJob人才网 時間:2019-09-26 作者:newjob ブラウズ量:
自らも走りながら部下をマネジメントするプレイングマネジャーは、専属マネジャーのやり方でも、プレイヤーとしてのやり方でもない、特別なやり方が必要となります。
私自身の経験の中で編み出した、‟プレイングマネジャーのための働き方のノウハウ“には、基本となる「5つの心得」があります。
今回は、その中から重要な「3つ」をお伝えしましょう。
まず、1つ目の大きな問題は、マネジャーの「自分でやりたい中毒」です。
あなたは、自分のプレイヤーとしての業務について、少なからず自信を持っているのではないでしょうか。そんな、プレイヤーとして結果を残してきたマネジャーほど、気をつけなければならないことがあります。
それは、「自分でやってしまいたい衝動」に駆られやすいことです。私はこれをプレイングマネジャーが陥りやすい、「自分でやりたい中毒」と呼んでいます。
この衝動こそが、「いつも忙しい」「部下が育たない」という、あなたを悩ませる問題を引き起こす元凶なのです。
じつは、プレイングマネジャーが抱える問題のほとんどは、この「自分でやりたい」という衝動を抑えることさえできれば解決します。これは、私自身の経験だけでなく、研修講師として、これまで数多くの職場を観察して確信したことです。
少し、考えてみましょう。あなたは、次のような悩みを抱えていないでしょうか。
これは、かつての私も抱えていたジレンマです。
これらの問題が、部下の力を借りると決めたことで、一気に解決に近づいたのです。
「まだ、部下には任せられない」
マネジャーがこう考える背景には、「自分でやったほうが早い」という思いがあります。
マネジャー自身がやったほうが確実で早いのは当然です。
そのうえ、いちいち説明するのにも時間がかかりますし、任せたところで、結局はミスが起こらないよう確認をとることになるわけですから、仕事を引き継ぐのが面倒になる気持ちはよくわかります。
だったら、無理して引き継ぐ必要なんてないと感じますが、それではいけません。なぜなら、「自分でやったほうが早い」と考えるマネジャーは、先のことを考えていないからです。
「自分でやったほうが早い」で、仕事が回るのは今だけ。今後、チームの規模が大きくなったり、仕事が増えたりしたら、確実に回らなくなります。次のような例で考えてみてください。
あなたは、リンゴをむく仕事をしているとします。あなたのチームには、あなたを含めて3人のメンバーがいます。あなたのリンゴをむくスピードは、ほかのメンバーの3倍。
今、目の前には3つのリンゴが置かれています。このくらいの量なら、あなたがパッと3つのリンゴをむいてしまったほうが早いでしょう。
このとき、あなたならどうしますか?
正解は、もちろんB。
りんごが3個ならいいですが、これが300個になったとき、いくらあなた1人が頑張っても、ほかのメンバーが成長していなければ、とても追いつきませんよね。
こう単純化して考えると、Bが正解だと素直に納得できるのですが、実際の仕事の現場では、多くの人がAの判断を下してしまうことが多いもの。
そうならないためにも、プレイングマネジャーには、目先のことにとらわれず、物事を中長期で考える視点が求められるのです。
もちろん、部下に仕事を引き継ぐと、最初はトラブルも起こりますし、手間がかかります。でも、それは「最初だけ」と割り切ってください。
ここまで読んで、あなたはこう思ったかもしれません。
「仕事を任せるのはいいけど、任せられた部下は忙しくなり、残業が増えるのでは……」と。
そのとおりです。ですから、プレイングマネジャーは自分の仕事を任せるだけではなく、全体の仕事量を見直すこともセットで行います。
目標としては、全体の仕事量を3割ほど削減することを考えてみてください。1~2割では、それほど影響がないからです。
しかし、頭ではわかっていても、いざ実行に移すとなると、何が無駄なのか判断に迷い、結局仕事を減らせないということが少なくありません。
そうなってしまう原因は、過去の延長線上で物事を考えているからです。決めるときは、過去からの流れではなく、「基準で決める」ことが大切です。やめても成果に影響しない仕事なら、長年続いていた慣例であってもバッサリとやめる、それくらい大胆に検討しましょう。
業務改善のレベルではなく、「業務変革」のレベルで考えねばなりません。
ここで、私が企業研修で紹介している、無駄な仕事を見極める際の「判断基準」を紹介しましょう。それは、次の3つです。
その業務をやめたら……
このうち、1つも当てはまらないものは誰がなんと言おうと無駄、というわけです。